2023.09.01TOPICS

【CREVIS ONLINE STORE】今月の1冊~THIS MONTH’S PICK~ 今森光彦写真集『スカラベ』

クレヴィス刊行の“イマ”読んでほしい本を月に1冊紹介する《今月の1冊~This month’s pick~》。 様々なジャンルのヴィジュアル本の中からその月にお勧めしたい1冊を皆様にご紹介!Crevis Online Storeでは紹介書籍を紹介月に限り送料無料でお買い求めいただける特典がございますのでこの機会に是非ご検討ください。

今月の1冊~This month’s pick~

今月は、今森光彦写真集『スカラベ』を紹介致します。スカラベとは、古代エジプト語でフンコロガシ(コガネムシ)のこと。今森さんは灼熱のケニアの大地で、約8年間に渡り、この小さな昆虫の生態と神話性を徹底取材しました。また、本年(2023年)はフランスの博物学者、ジャン・アンリ・ファーブルの生誕200年記念の年にあたります。ファーブルも情熱を傾けたスカラベの不思議な世界を是非ご覧ください!

夕日のごとく球体で没し、日の出のようにふたたび生まれるスカラベ。メスは地下に埋めた糞ボールの中に卵を産み、長い時間をかけて子どもを育てます。そして成長したスカラベは、地上へと出てきます。古代人たちは、この小さなコガネムシに生命の再生を見たようです。

エジプトのギザのピラミッド。一説によると、ピラミッドは糞の象徴ともいわれているそうです。
壁画には太陽神としてのスカラベがたびたび登場します。

糞ボールを懸命に転がすスカラベ。見事な回転です。
止まったら最後、ボールはハエたちの産卵場になってしまいます。

糞ボールのプレゼントをメスが受け取ったら、結婚成立。
オスはメスを乗せて、ウェディングボール(糞ボール)を転がします。

地下の個室で糞ボールの世話をします。そして、それを分割し、梨のような形のボールに変えて、卵を産みつけます。

大地を転がる糞ボールと大空を駆ける太陽。
この果てしない大地に、ふたつの動く球体が存在し、小さな昆虫と太陽神のイメージがひとつになってゆきます。
「人の精神性の中に深く刻み込まれる生きものとして、その全貌を見たくなった」と語る今森さんの渾身のライフワークを、是非御覧ください。科学的かつ芸術性豊かな一冊です。

【本書概要】
今森光彦写真集『スカラベ』
3,960円(税込)(本体:3,600円+税)
サイズ:B4変型
ページ数:168ページ
オールカラー
上製ISBN:978-4-911003-00-8

また、滋賀県立美術館では今森さんの写真展「里山 水の匂いのするところ」も9月18日まで開催中です。
今森さんが長年見つめ続ける「里山での生命の循環」という静かなドラマを水の循環という独自のテーマで構成しています。自然と人の関わりを問う写真展「里山 水の匂いのするところ」も是非お楽しみください。

【関連展覧会情報】
企画展「今森光彦 里山 水の匂いのするところ」
期間:~9月18日(月・祝)
会場:滋賀県立美術館 展示室3
会場HP

関連展示「里山 切り絵の世界ーオーレリアンの庭から」
期間:~9月18日(月・祝)
会場:滋賀県立美術館ラボ
観覧料:無料