2023.05.16EXHIBITIONS

今森光彦写真展「里山」

四季折々に違った表情を見せる田んぼの風景や人々の暮らし、美しく羽化したオオムラサキ、一面黄金色に染まった秋の田んぼ、雪に包まれる静かな冬。そこには、どこかなつかしい日本人の心の原風景ともいえる景色が広がっています。
 田んぼを中心として、雑木林や小川などが点在し、人と自然が上手に共生しているような環境を「里山」と言います。けっして特別な環境ではありません。戦後の高度経済成長以前の日本では、どこででも普通に見られた風景です。滋賀県の琵琶湖湖畔には、古来より続く豊かな「里山」が今も残されています。
 写真家・今森光彦は、琵琶湖をのぞむアトリエを拠点に、琵琶湖湖畔の「里山」に生きる小さな生命たちと、そこに生きる人々の関わりを写真に収め続けてきました。1995年に写真集『里山物語』によって写真家として大きく注目され、木村伊兵衛写真賞を受賞。2000年に今森氏によるNHKスペシャル『映像詩 里山』は、大変な反響を呼びました。同年、初めて撮影監督を務めた記録映画『今森光彦の里山物語』が公開され、高い評価を得ています。その後もNHKと継続的な取材を続け、『映像詩 里山』シリーズとして放映されています。
 本展では、今森光彦氏が長年見つめ続ける「里山での生命の循環」という静かなドラマを独自の視点で捉えた美しい写真によって構成します。自然と人の関わりを問う本展を是非お楽しみください。

立ち上がりの滋賀県立美術館では「水の循環」に着目しました。
「里山-水の匂いのするところ-」と題して、特別展開していきます。


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2023年