2009.07.04EXHIBITIONS

写真展「昆虫4億年の旅」

今森光彦は世界中の昆虫を求めて精力的に取材活動を行ない、世界の熱帯雨林や砂漠から国内の身近な自然環境まで、自然と人の密接な関わりを、美しい映像と親しみやすい文章で伝えつづけています。既成の生態写真にとらわれない独自の自然観に基づく作品群は、国内外で高い評価を受けています。

本展覧会では、彼の代表作である「世界昆虫記」「昆虫記」から新作まで、昆虫の生態を中心に約200点を紹介します。昆虫に注がれる今森のまなざしは、彼らを包み込む自然、さらには人間の営みにも向けられ、自然と人間との関係をも浮かび上がらせます。

今森のファインダーの中で繰り広げられる神秘と驚異に満ちた昆虫の世界。そこでは科学と芸術が高い次元で共鳴し、私たちに大きな感動を伝えてくれることでしょう。

構成

◆第1部 壮大な劇場〈世界昆虫記〉より
20年以上に及ぶ取材期間、地球上のありとあらゆる辺境を踏破した精力的な撮影行。膨大なフィルムから厳選された約145カットで構成された「驚異の昆虫たちの生態」。

「…昆虫は小さな生き物なので、私たちは個々の昆虫の美しさや、彼らの目をみはるような生態を見過ごしていることが多い。今森光彦の息をのむような写真は、すべての人にとって、たとえ昆虫の専門家であっても、まったく新しい世界の啓示となるだろう。」
『世界昆虫記』(福音館書店)より
デーヴィッド・アッテンボロー(映像プロデューサー、自然誌学者)

◆第2部 身近な発見〈昆虫記〉より
昆虫たちがいるからこそ、地球は魅力的なワンダーランド。
約103カットの作品でみる身近な虫たちの素顔。

「…今森さんの写真を見ると、自分の眼が急によくなったような気がする。こういうシャープさは、もちろん生来のもので、彼は今まで南米、東南アジア、アフリカなど、世界中をまわって優れた作品を撮ってきました。しかし「昆虫記」には、その鋭さに一種の暖かさが加味されている。彼自身は「子どものころ見た風景の中で」仕事をしたと言っているけれど、ここに写っている虫も今森さん自身も、まったく同じ風土に育った仲間であるという事実の中に、その暖かさの秘密がある、と私は思った。」
『昆虫記』(福音館書店)より 奥本大三郎(フランス文学者、日本昆虫協会会長)


巡回一覧

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  • 4月21日(土)~ 6月2日(土)桐蔭学園

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  • 7月4日(土)~ 8月30日(日)静岡アートギャラリー