2025.07.30EXHIBITIONS

「野町和嘉―人間の大地」

1972年にサハラの大砂丘と出合ってから50年余。過酷な大地とそれに向き合いながら生きる人びとの姿に魅せられ、世界各地の辺境で取材を重ねてきました。その作品は高い芸術性と希少な記録性を兼ね備え、『LIFE』『Stern』『Geo』など世界的に著名なグラフ誌の紙面を飾り、写真集は多国で同時出版されるなど、世界最高の写真家の1人と評されます。

本展は、野町和嘉の半世紀およぶ写真家活動の集大成となる展覧会です。
スマートフォンなどの普及により世界中で伝統文化が衰退し画一化されつつある現在、しっかりと大地に足をつき、力強く生きる人びとを捉えたスケール感のある写真群は見る者の心に語りかけてきます。

【構成】
①サハラ―空と砂の間で
砂の地平線との出会い。荒地願望はここから始まった。
②ナイル―アフリカが流れる
ナイル奥地に生きる人々の伝統文化の最後の輝きの記録。
③エチオピア―旧約聖書の世界
中世の趣を残す、エチオピア高原の信仰の姿。また、100万人が餓死したというエチオピアの飢餓を取材。
④グレート・リフト・ヴァレー ―アフリカ大地溝帯
地殻活動が大陸を引き裂く東アフリカ一帯は人類発祥の地。過酷な風土に生き抜くアフリカ の原像とも呼べる人々の暮らし。
⑤メッカとメディナ―イスラーム大巡礼
メディナ在住の有力者からの撮影依頼をきっかけに、イスラーム教に改宗してメッカの大巡礼を撮影。全世界から集まるイスラーム教徒の素顔に迫る。
⑥チベット―天の大地
高度4000~5000mの高地で信仰を支えに生きる人々と独自のチベット仏教の姿
⑦アンデス―黄金郷の今
インカ文明とカトリック信仰が習合し、広大な地に根付いた独自の宗教文化を捉えた記録。

130点展示


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2025年