写真展「鉄道ものがたり」
時代とともに列車は走る――
鉄道写真の第一人者・広田尚敬は日本の鉄道を60年以上にわたって見つめ続けてきました。
躍動感あふれる列車、駅や列車内を舞台にした詩情あふれる人間物語――。
鉄道を舞台に繰り広げられる、人々を惹きつけてやまないシーンを、広田は記録し続けました。
本写真展は、広田が世界中で撮影した膨大な作品群から、国内の作品に絞った約180点を抜粋しました。
蒸気機関車から新幹線まで、鉄道を通じて写しだされた作品たちは、同時に激動の時代を駆け抜けた日本の歴史の変遷の縮図ともいえます。鉄道ファンのみならず、同時代を生きる全ての人々にお楽しみいただける写真展です。
構成
第1章 永遠の蒸気機関車たち カラー約20点
1975年12月24日に国内の蒸気機関車は列車運行を終了しました。
最後の時に向かって走り続ける各地の蒸気機関車の姿を鮮やかな
カラー作品(コダクロームKⅡ・KR)でご覧いただきます。
第2章 蒸気機関車を追って モノクロ 約40点
広田作品の真髄とも言えるモノクロ蒸気機関車作品で構成します。
前半では、驀進する名機C62の姿や、雪の狩勝峠(根室本線)を
越える蒸気機関車の姿をご覧いただきます。
後半では、現役蒸気機関車の姿を追って厳冬の北海道を旅する
若き広田の足取りを辿ります。この昭和三十四年二月(1959年)の
撮影行では旅先の人々との心温まるエピソードが生まれました。
第3章 僕と鉄道 カラー・モノクロ 約50点
のどかな各地のローカル線の味わい、人と鉄道との関わりなど
車両写真だけではない鉄道写真の持つ別の魅力を感じていただきます。80年代を中心に、近年の作品も含めた展示となります。
第4章 鉄道のくに カラー 約70点
広田は70~80年代を中心に北海道から九州までの国鉄全線を撮影
しました。第4章ではこれらの作品群を中心に展示します。日本
の四季を背景に各地を走る列車の姿、鉄道を通して見えてくる当
時の人々の暮らしなどをご覧いただきます。一部に特急、ブルー
トレイン作品を含む構成となります。